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『幻のネズミ,消えたY 性の進化の謎を追う』黒岩 麻里(著) 発行:岩波書店

1,760円

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哺乳類のY染色体は退化する一方だ。そのうち、男はいなくなる!?南の島のトゲネズミに、そのヒントがあるかもしれない。そのネズミたちは、Yがないのにオスがいる。Yがないなら、雌雄のDNAの差はどこに?あの方法もこの遺伝子も、ハズレ、ハズレ、またハズレ……!立ちはだかる数々の壁を乗り越え、「Yなき性」の謎にせまる。 目次  プロローグ 常識はずれの哺乳類 1 よみがえるトゲネズミ  謎の哺乳類と出会う  Yのないネズミ──1977年の報告  古すぎる細胞でスタート  運命の出会い  絶滅危惧種と天然記念物  立ちはだかる壁  心落ち着かないクリスマス  野外調査に参加……したけれど  オキナワトゲネズミはどこに  たった3体の剥製標本  捕獲調査がはじまる  幻の哺乳類、再発見  Yはあった、でも、普通じゃなかった 2 Y染色体を失うということ  「性が決まる」とはどういうことか  染色体は運命を「決定」しない  哺乳類のY染色体──オスをオスたらしめる  大野博士の仮説  誰が先に見つけるか──性決定遺伝子発見競争  そしてSRYが見つかる  SRY遺伝子の正体  実は弱くて刹那的  2つあったエクソン  カモノハシの性の謎  SRYいつ登場したか  YがYになったとき  Yが退化していく理由  Yが消える!?  Y染色体の沼にハマる 3 消失と巨大化──ネズミ、真逆の道をゆく  緊張の初代培養  アマミトゲネズミ──少なくて長い染色体  1本だけ残る不思議  染色体を染めてみる  なかなか見つからない性差  やはり性差は見つからない  「ない」証明の難しさ  オキナワトゲネズミ──大量にあるSry  Sryは性を決定しているのか?  消失と巨大化──真逆の進化の不思議   コラム◎思わぬ発見──移動するセントロメア 4 消えたYの謎を追う  遺伝子重複に目をつける  シャルトルの仮説  重要なものほどコロコロ代わる  メダカの性決定遺伝子も「遺伝子重複」  まずは10の遺伝子を探す  それらしき重複遺伝子、しかし……  個体数の少なさゆえに   コラム◎マングースの研究では  やはりゲノムを読むべきか  ゲノム解読への道①──まず読んではみるものの、途方に暮れる  ゲノム解読への道②──予算獲得   コラム◎忘れられない大きな失敗  ゲノム解読への道③──「支援課題」になる  一塩基多型を探せ  最後に残った二つの候補  SOX9遺伝子とは  「砂漠」でターゲットを探す  やっぱりSOX9上流が重要?  マウスのエンハンサーが、トゲネズミにも  エンハンサーが性決定!?  「重複」をマウスにノックイン  青く染まった生殖腺  教授、PCRマシーンと化す  起こらなかった性転換  性転換の「萌芽」はあった 5 世界に羽ばたくトゲネズミ  アクセプトまでのさらなる道のり  「強さ」ではなく「スキル」  レジェンドからの助言  アクセプトされるや一転……  報道解禁、そして  「あなたの研究を知っていますよ」  トゲネズミがつないだ世界  エピローグ トゲネズミのいま 著者プロフィール 黒岩 麻里 (クロイワ アサト) (著) 黒岩麻里(くろいわ・あさと) 1973年京都市生まれ。2002年名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程修了。博士(農学)。2016年より北海道大学大学院理学研究院教授。小説家やジャーナリストに憧れる文系少女だったが,高校の授業で生物に目覚め,一念発起して理転。一浪を経て名古屋大学農学部へ入学。博士課程から北海道大学へ移り,トゲネズミと出会う。幼少期から生き物を飼うのが好きで,飼育した生物種数は100を超える。現在は北海道犬とサイベリアンのお世話で手一杯である。趣味は道内を巡り美味しいものを食べ,お酒を吞むこと。好物はラーメンとスープカレー。著書に『「Y」の悲劇 男たちが直面するY染色体消滅の真実』(朝日新聞出版)などがある。

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