戦後の日米間に横たわる軍事上の様々な密約を、無数のアメリカの機密解禁文書の中から独力で発掘し、広く日本社会に知らしめてきた新原昭治氏。基地権密約・裁判権放棄密約や、砂川裁判・最高裁判決へのマッカーサー駐日大使の不正な工作を証明する超重要文書など、その活動範囲は信じられないほど広く、まさに「密約研究の創始者」「密約研究の父」という尊称にふさわしい人物である。
本書はその長年の研究の集大成として、日本の米軍基地が、単なる米軍の出撃基地ではなく、朝鮮戦争や台湾海峡紛争やベトナム戦争において、つねに核戦争を想定した出撃基地、訓練基地となっていた事実を初めて体系的に明らかにする。
国連で採択された核兵器禁止条約が発効をむかえた(2021年1月22日)いま、世界で唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、同条約に賛成できない日本の歪んだ政治状況と、日本の国民が今後そこからどのようにして抜け出せばいいかについて、これほど大きな指針を与えてくれる本はない。
目次
序章 国民をあざむく国家の闇
パート1 「対日講和」の前から原爆基地にされた日本――第二次大戦後の米国の核兵器態勢を見る
パート2 日米核密約とベトナム戦争での核使用計画
パート3 日本への核持ち込みの闇に光を当てる
パート4 核兵器を持ち込ませない真の非核の日本へ
あとがきに代えて ラロック元提督との対話
著者プロフィール
新原 昭治 (ニイハラ ショウジ) (著)
1931年、福岡市生まれ。九州大学文学部卒(心理学)。国際問題研究者、ジャーナリスト。軍事問題を中心に、日米政府間の非公開機密資料を多数発掘。「密約研究の父」と呼ばれる。非核の政府を求める会世話人、日本平和委員会理事。著書に、『「核兵器使用計画」を読み解く―アメリカ新核戦略と日本』(新日本出版社)、『日米同盟と戦争のにおい―米軍再編のほんとうのねらい』(学習の友社)、『日米「密約」外交と人民の戦い』(新日本出版社)など多数。編著書に、『砂川事件と田中最高裁長官―米解禁文書が明らかにした日本の司法』(日本評論社)がある。
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