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『 ロシアの鎖を断ち切るために 皇帝とボリシェヴィキを相手に闘ったボリス・サヴィンコフ』ウラジーミル・アレクサンドロフ(著)竹田 円(訳)沼野 充義(解説) 発行:作品社
6,930円
なぜロシアで、自由で民主的な共和体制が実現しなかったのか?
ボリス・サヴィンコフ(筆名ロープシン)の代表作『蒼ざめた馬』は、自らの経験に基づきテロリストたちの懊悩、葛藤を掘り下げた傑作で、世界中に一大センセーションを引き起こした。日本でも愛読者は多く、五木寛之がロープシンのこの作品に想を得て『蒼ざめた馬を見よ』を書いたのはよく知られている。本書は、ドストエフスキーの思想を継承し、カミュにも影響を与えたというサヴィンコフの思想の足取りを、綿密な調査と貴重な史料を駆使して、詳細に辿っていく。
サヴィンコフはエスエル(社会革命党)の武闘団のテロリストとして、帝政ロシアの打倒を目指し、二月革命後には政治的な要職につき一時期は表舞台で活躍する。しかし、十月革命後はボリシェヴィキ政権に反対する立場に回り、レーニン暗殺を企てたりもするが失敗に終わる。その後、西側に逃れチャーチルやムッソリーニなどと親交を結ぶが、ソ連領に潜入したところを逮捕され、獄中で亡くなる。サヴィンコフが夢見た、自由で民主的な共和政体はなぜ、ロシアで実現しなかったのか、という著者の問いかけは、こんにちのロシアを考えるうえでもきわめて重要な問いといえよう。
解説=沼野充義(スラヴ文学者 東京大学名誉教授)
著者プロフィール
ウラジーミル・アレクサンドロフ (ウラジーミル アレクサンドロフ) (著)
ニューヨークのロシア移民の家庭で育つ。プリンストン大学で比較文学の博士号を取得。ハーヴァード大学のスラヴ学部で教えた後、1986年にイェール大学のスラヴ学部に移り、2018年に退職するまで、ロシアの文学と文化について学部と大学院で教鞭を執る。著書に『かくしてモスクワの夜はつくられ、ジャズはトルコにもたらされた』(竹田円訳、白水社、2019)。
竹田 円 (タケダ マドカ) (訳)
翻訳家。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。スラヴ文学専攻。訳書に、グリーン『モラル・トライブズ』、ベヴィンス 『ジャカルタ・メソッド』、ポメランツェフ 『嘘と拡散の世紀』(共訳)ほか。
四六判
価格 6,300 円+税 6,930 円(税込)
ISBN978-4-86793-095-3
書店発売日2025年9月4日