前近代的な土着性をはらんだ「日本の前衛」、〈つくらないこと〉の呪縛としての「もの派」、岡本太郎の「爆発」、赤瀬川原平の紙幣「模造」、読売アンデパンダン、森村泰昌、村上隆、会田誠……。世界史から切り離され、忘却と堂々めぐりを繰り返す「閉じられた円環」である「悪い場所」日本において、美術の歴史は成立しているのか? 1945年=敗戦以降の美術の動向と批評の堆積を遡行し、歴史的・政治的なコンテクストに位置づける。戦後日本の精神を浮き彫りにし高く評価された、卓越した日本文化論にして著者の主著! 解説 安藤礼二
目次
第一章 閉じられた「円環の彼方」は?
第二章 九〇年代日本の「前衛」
第三章 スキゾフレニックな日本の私Ⅰ
第四章 スキゾフレニックな日本の私Ⅱ
第五章 日本・現代・美術
第六章 バリケードのなかのポストモダン
第七章 「もの派」と「もののあはれ」
第八章 裸のテロリストたち
第九章 芸術である、だけど犯罪である
第十章 日本の熱
第十一章 アンフォルメル以前
第十二章 芸術は爆発だ
第十三章 暗い絵
主要参照文献/あとがき/文庫版あとがき
解説「悪い場所」を超えて 安藤礼二
索引
著者プロフィール
椹木 野衣 (サワラギ ノイ) (著)
椹木 野衣(さわらぎ・のい):1962年、秩父市生まれ。美術評論家。著書に『増補シミュレーショニズム――ハウスミュージックと盗用芸術』、『黒い太陽と赤いカニ――岡本太郎の日本』、『戦争と万博』、『後芸術論』(吉田秀和賞受賞)、『震美術論』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『感性は感動しない――美術の見方、批評の作法』など。編著に『洲之内徹ベスト・エッセイ』1・2など。企画した展覧会に「アノーマリー」(1992年)、「日本ゼロ年」(1999-2000年)、『平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ) 1989-2019』(2021年)など。同志社大学文学部卒。現在、多摩美術大学教授。