土くれから造り出され、人間によく似た外見を持ち、ごく簡単な手順でまた土へと戻されてしまう生命、ゴーレム。
古くから魔術の範疇で語られてきた人造生命は、科学の発展により、今や実現し得る存在へと変わりつつある。
私たちは、生命を造り出すことの重さとどう向き合うべきなのか。
ユダヤ教の伝説からSF映画に至るまで、ゴーレムの歴史を辿りつつ生命の在り方を問い直す。
【目次】
はじめに
第一部 ゴーレムの伝説
第一章 伝説の歴史的点描
もの言わぬ土くれ/未定形の塊/『セーフェル・イェツィーラー』/プラハのマハラル/ロマン主義期
第二章 人間化するゴーレム
ユードル・ローゼンベルク/〈血の中傷〉と闘うために生まれる/ゴーレムの創造/馬鹿なヨセフ/「娘の災難」/「最後の血の中傷」/塵に戻るゴーレム/〈文化的因子〉になったゴーレム
第二部 〈怪物〉と自動人形
第一章 境界線上の〈怪物〉
モンスター/〈怪物〉の位置づけ/ゴーレムと〈怪物〉/モームの〈怪物〉/エイリアン/疑似人間──疑似怪物?
第二章 機械仕掛けの恋人
自動人形/眼のトラウマ/クラーラ──魂の抜けた自動人形/オリンピア──魂のない女/チャペックの〈劣等人間〉
第三部 ゴーレムよ、土に帰れ
第一章 未定形の肉塊
拡散するゴーレム/デルブの『ゴーレムたち』/〈科学のゴーレム〉/〈現実〉に漸近するゴーレム
第二章 亜人の命乞い
〈亜人〉ゴーレム/命乞い/内破するゴーレム/命をもてあまし、命を弄ぶ
あとがき
文献表
解説──『ゴーレムの生命論』──自動人形から反逆者へ 小川公代
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