「ファッション界のフロイト」と称されるファッションスタディーズの第一人者の全貌をはじめて紹介する、日本オリジナルの著作選集。研究の方法論からアートやセクシュアリティとのかかわりまで、19世紀パリから現代日本まで、「文化としてのファッション」を幅広い視点にもとづいて論じた重要論考17編を、135点の図版とともに収録。
目次
まえがき
1. ファッションとは何か
Fワード
なぜファッションは嫌われるのか
ファッション
ファッションミュージアムは、たんなる衣装ケースではない
ファッションミュージアムの台頭
2. 近代社会とファッション
エレガンスの黒太子
パリジェンヌのファッション
人為と自然――コルセットをめぐる一九世紀の論争
エドゥアール・マネの《ナナ》
3. ジェンダーとセクシュアリティ
ファッションとフェティシズム
ファッション、死、時間
クィアなファッションの歴史――クローゼットからキャットウォークへ
ピンク――パンクで、プリティで、パワフルな色の歴史
4. 服の見方、イメージの読み方
シャネルの位置づけ
まさしくアメリカ的なもの
裸のカルバン主義
日本はいまなお未来か?
監訳者解題・あとがき
出典一覧
索引
著者プロフィール
ヴァレリー・スティール (ヴァレリー スティール) (著)
FITミュージアム〔ニューヨーク州立ファッション工科大学ミュージアム〕館長兼チーフキュレーター。イェール大学大学院で近現代ヨーロッパ文化史の博士号を取得後、『ファッションとエロティシズム――ヴィクトリア朝からジャズ・エイジにいたる女性美の理想』(1985年)を出版し、ファッションにおけるセクシュアリティの歴史研究で注目される。1997年よりFITミュージアムのチーフキュレーターとして、2003年からは同館長として25以上のファッション展を企画し、多数の図録や書籍を執筆・編集。ファッションを文化の一部として捉えるその研究は、歴史、文学、芸術に関する豊かな知識に加え、審美的かつ実証的な洞察によって高い評価を得ている。1997年に『ファッションセオリー――衣服・身体・文化』を創刊し、ファッションスタディーズの基盤を確立したほか、2004年には『衣服とファッションの百科事典』の編集を務めた。
平芳 裕子 (ヒラヨシヒロコ) (監訳)
神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授。専門は表象文化論、ファッション文化論。著書に『まなざしの装置――ファッションと近代アメリカ』(青土社、2018年)、『東大ファッション論集中講義』(筑摩書房、2024年)、『日本ファッションの一五〇年――明治から現代まで』(吉川弘文館、2024年)、共著に『「歴史総合」をつむぐ――新しい歴史実践へのいざない』(東京大学出版会、2022年)、『現代の皮膚感覚をさぐる――言葉、表象、身体』(春風社、2023年)などがある。
蘆田 裕史 (アシダヒロシ) (監訳)
京都精華大学デザイン学部教授。専門はファッション論。著書に『言葉と衣服』(アダチプレス、2021年)、『クリティカルワード ファッションスタディーズ――私と社会と衣服の関係』(共編、フィルムアート社、2022年)、監訳書にアニェス・ロカモラ、アネケ・スメリク編『ファッションと哲学――16人の思想家から学ぶファッション論入門』(フィルムアート社、2018年)などがある。『vanitas』(アダチプレス)編集委員、「コトバトフク」運営メンバー。
五十棲 亘 (イソズミセン) (訳)
京都服飾文化研究財団アシスタント・キュレーター。専門はファッション研究。担当展覧会に『LOVEファッション――私を着がえるとき』(2024–25年)、共著に『クリティカルワード ファッションスタディーズ』などがある。研究誌『Fashion Talks...』(京都服飾文化研究財団)編集スタッフ。
鈴木 彩希 (スズキサキ) (訳)
関東学院大学人間共生学部専任講師。専門はファッション史、ファッション文化論。論文に「戦後における着物の改良と「新しいキモノ」の潮流――雑誌『美しいキモノ』の分析から」(『デザイン理論』第80号、意匠学会、2022年)などがある。『vanitas』編集スタッフ。
工藤 源也 (クドウモトナリ) (訳)
神戸大学大学院人間発達環境学研究科博士課程後期課程在籍。専門はファッション史。論文に「日本男性ファッション史における『Made in U.S.A. Catalog』――方法としてのモノの即物的描写と「伝統性=実用性」の表象」(『Fashion Talks...』16号、2024年)などがある。
A5判 縦215mm 横155mm 厚さ40mm 重さ 800g 544ページ 上製
定価 6,000 円+税 6,600 円(税込)
ISBN978-4-908251-19-1
初版年月日2025年6月29日