「国」「国家」という単位で、本書で扱っているLGBT、またその他のマイノリティにとって「ユートピア」といえる状況を実現しているところは、残念ながらないと思うのです。だから本書の問い立てが無効だ、ということではなく、同性婚を東アジアで初めて認めた台湾は一歩進んでいるといえますし、「ユートピア」を目指すこと、そのための検証が大事であって、本書は重要なのだといえます。(小林えみ)
台湾は本当に「LGBTユートピア」なのか?
22人のマイノリティの語りに向き合い読み解かれる、
揺れ動く台湾の実相と、いくつもの〈性/生〉の「現在地」
「台湾のホモナショナリズムとは、共同体としての異性愛規範は維持しつつ、台湾をアジアにおいて例外的に「同性愛に寛容」な場とし、(…)国家・文化的な優位性を特徴付ける形で、同性愛者を国家に内包する言説」であると同時に「「台湾という存在自体」を維持することに寄与している」――(本書「おわりに」より)
発行:花伝社
四六判 256ページ
書店発売日2023年12月21日