original
「春になったら死ぬんだと思っていた。明るい陽気に負けてしまって、眩しくて、魔法みたいに消えちゃう気がした。」
ラジオ、花、五反田駅前の思い出、そして文学。
本を読みながら大人になった今、日常と仕事のあいだのさまざまを古今東西の文学を通じて豊かな言葉で紡ぐ清新なエッセイ。
目次
言葉に溺れてしまいそう
九階のオバケとラジオと文学
ソローと手を繋いでスキップを
偶然と必然の交差する場所で
一九八四年、存在しない愛の話
自転車を漕ぐ背中の
変容する明日を追いかけて
マリー・キュリーにはなれない
サニーデイ・サービスと月曜のDM
私は君を殴らないよ、悪いけど。
火曜の午後、私のセンス・オブ・ワンダー
アメリカの夜を真空パック
そのサンショウウオの尻尾の歯形は、私がつけました
消えたい夜に、遮断機は降りない
君のこと、よく知らないけど、なんか。
勘違いじゃない と、いいんだけど
だって好きだから
おやすみ、好きだよ
花と自転車、三月の記憶
どれだけ祈っても汚いままのこの世界
孤独、愛、文学、全部。
おわりに