「お手」と言えばお手してくれた蝶々が北風に乗り去っていきます
土居さんの目に映ったものが全部いきいきと歌の中で生きている。不安や閉塞感がベースにあっても、どこかユーモラスでたくましい。次にどんな言葉がくるのか、わくわくする。自在な言葉の世界に埋もれる楽しさを堪能していると、日常の手触りが変化していく。
―東 直子
【収録歌より】
ねぇそろそろ許し合おうよ その壁のセロハンテープも琥珀色だし
百年も前の詩の中歩く虫 読点の上で潰してあげる
ドラえもんと言えばノー、ドゥライモォンと訂正される英語教室
街角にある駄菓子屋で消費者になる吾子を見る ひやしあめ越しに
著者プロフィール
土居 文恵 (ドイ フミエ) (著)
東京女子大学卒。
2018年頃から歌を詠み始め、
新聞歌壇などに投稿をスタート。
2024年第12回現代短歌社賞佳作。
第6回笹井宏之賞最終選考候補。
歌人集団「かばんの会」2023年編集人。