命の果てまで彷徨う〈脚のない鳥〉は香港のスターか、慶州の老園芸学者か、もしくは自分なのか。主人公の一日を軸に、失われゆくものに執着する人間の性(さが)や自我を求めてさまよう姿が、静かな余韻をともなって描かれる。
「両足があるがゆえに存在の踏み台が必要な人間は、富や快楽、名誉や美をどこまでも追い求めるが時間は生きとし生けるものを肩に乗せ、消滅に向かってバンジージャンプする」(本書より)
◆『脚のない鳥』プレイリスト
小説内に登場する音楽を中心にしたプレイリストです
著者プロフィール
カン・ソッキョン(姜石景) (カン ソッキョン) (著)
著者:カン・ソッキョン(姜石景)
1951年大邱生まれ。梨花女子大学美術学部彫塑科卒業。
1974年、『文学思想』誌に短編「根」と「オープン・ゲーム」が掲載され文壇デビュー。
本作を収録した短編集『ツンドラ』のほか小説集に『夜と揺籠』『森の中の部屋』、長編に『私の中の深い階段』『米仏』『神聖な春』など、エッセイ集『陵への道』、児童向け長編童話『インドへ行ったトト』がある。
邦訳に「夜と揺籃」(朝長のり訳、『韓国の現代文学3』所収、柏書房)がある。
今日の作家賞、緑園文学賞、二十一世紀文学賞、東里文賞、韓戊淑文学賞などを受賞。
松渕優子 (マツブチ ユウコ) (訳)
訳者:松渕優子
秋田県秋田市生まれ。
早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。
日本・韓国・中国で日本語教育に携わり、語学教材の編集、語学試験関連の研究職を経て、現在は翻訳業に従事。
韓国文学翻訳院翻訳アカデミー アトリエ16期生。
2018年第17回韓国文学翻訳新人賞受賞。
第8回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて「脚のない鳥」で最優秀賞を受賞。