創業200年。銀座の呉服屋で、きものの仕事に携わり70年、店主となって30年。90歳を過ぎても毎日、きもので店に立ち続けた。手仕事の美しい染織品、東南アジアから中東各国の古裂。美術家の祖父と父、家族で切り盛りした小さな店。きものとともに生きた日々を語る。
目次
序に代えて/毎朝の決まりごと/きもの択び/紬の多い呉服店/店主助手として/「むら田」の歴史/変わり者の店主/「むら田」調/紬の八寸帯/更紗裂と更紗の帯/長板本染中形と江戸小紋/誂えのこと/上田紬と上田の白生地/悳次という人/田端育ち/父、板谷梅樹のこと/モダンガールの母/祖父、板谷波山のこと/結核を患う/祖母まるのこと/水戸時代/占い師の予言/女子美術大学へ/二つの結婚式/店を継ぐ/銀座二丁目並木通りへ/めまぐるしい日々/私の子育て/鶏肉嫌い、卵嫌い/軽井沢店の思い出/悳次の古裂蒐集旅/悳次の創作/ろうけつ染と展覧会の思い出/文士のお客様/銀座お昼ごはん事情/花を育てる/仕舞/私の病気、夫の病気/移転話と夫の死/カシミヤの香典返し/六丁目へ/街から変化をもらって/あき子の創作/先代の流儀と私の流儀/悉皆のこと/呉服店の朝/六丁目の夜の顔/銀座の呉服店さまざま/商いの照り降り/地味好み/着付けについて/紬の喪服/きもの周りの小さなこだわりあれこれ/きものの繰り回し/「おやつあき」と車の事故/渋谷へ/新しいきもの/最後の日々
著者プロフィール
村田 あき子 (ムラタ アキコ) (著)
1932年、モザイク工芸作家の板谷梅樹と妻・静の長女として、東京田端で生まれる。戦中は茨城県東茨城郡磯浜町(現大洗町)へ疎開、48年より桜井霞洞(日展作家)にろうけつ染の手ほどきを受ける。53年より、女子美術大学進学に伴い祖父・板谷波山宅で書生生活。60年、銀座の呉服専門店 「染織工芸 むら田」入社。61年に六代目となる村田悳次と結婚。93年、悳次の死去に伴い「染織工芸 むら田」 店主を継承。82年より2002年、染色作家・四田州宏に師事。宝生流の謡・仕舞を武田孝史に師事。24年10月逝去。
西端 真矢 (ニシハタ マヤ) (著)
文筆家。1970年生まれ。東京都出身。型絵染作家の祖母、日本美術史研究者の母のもとできものと日本美術に身近に触れて育つ。編集プロダクション、広告代理店勤務を経て2007年独立。日本史、日本伝統文化を軸に、現在の日本社会を考察するエッセイや論考を執筆している。著書に『歴史を商う 書肆雄山閣百年ものがたり』(雄山閣)。
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