その寂しさは本当に孤独だろうか。そして寂しさはすなわち孤独だろうか。本書は孤独を肯定する。
友情や恋愛、美しい結びつきの物語は無数に存在する。それらは素晴らしい。しかし、それらが素晴らしいのであれば、反対の概念として、孤独は否定されるべきものだろうか。孤独と連帯は共存できる。そして、それぞれの美しさがある。「どちらか」に引きずられず、私たちは時に結びつきつつ、孤独であることが出来、孤独を肯定することができる。
天災や戦争、人々はより結びつくことが求められ、分断が嘆かれる。しかし、違うものは違う。どちらかが正でどちらかが悪かを競いあっても決着をつけることは難しい。あるいはその決着はつけるべきではない。それぞれの異なりを持ち、私たちはひとりで生まれてひとりで死ぬ。その多様な個がただ在れることこそが実現されるべき多様性をもつ社会だ。
また、孤独を肯定的に描かれるとき、それは美しく高みを目指す孤高の肯定をされることが多い。もちろん、それらも肯定されるべき孤独だが、もっと私たちの傍で、小さな孤独、ひとりでいることの孤独も、ここでは肯定する。
一方で、避けられるべき孤独、社会的孤立、いじめや貧困等については批判する。
一人でいることが、一切の苦さを含まず、甘美なものであるとは思わない。孤独を愛していても、寂しさや虚しさを感じることはあるだろう。一切の社会との関わりを断つような極北だけを孤独と呼ぶのではない。人が人の繊細さを失わないまま、生きていくために。そ同じように孤独を愛する人たちへ伝えたい。「その孤独は正しい」。
企画「戦争と人間、孤独」集 全3冊
こんにちは世界。
私たちはひとりで生まれてひとりで死ぬ。
ひとりは寂しい。
それでも私は孤独を肯定する。
一、坂口安吾『青鬼の褌を洗う女』
二、三木 清『人生論ノート』
三、小林えみ『孤独について』
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