「都合ついたら、明日からでも出て来てくれないか」。
林達夫に呼ばれて行ってみれば、待っていたのは『細雪』だった――
岩波書店から中央公論社を渡り歩き、赤ペンを握ること三十有余年。
練達の校正者が、誤植列伝から普遍的な校正の心構えまで、ユーモアたっぷりに綴る。
文庫版ではコラムと新・校正練習問題を増補。〈解説〉牟田都子
著者プロフィール
長谷川鑛平 (ハセガワコウヘイ) (著)
長谷川鑛平
一九〇八年生まれ。法政大学文学部哲学科卒。在学中の三一年にはじめて岩波書店で校正に携わる。戦後、中央公論社の校閲部へ。最初に関わったのは谷崎潤一郎『細雪』であった。中央公論社校閲部部長在職中から、法政大学講師を兼務(倫理学)。本州大学(のち長野大学)教授。一九九五年没