第二次世界大戦下のアメリカ・ロスアラモス。オッペンハイマー、フェルミら科学者たちが集められ、原爆開発が進められていた。日系三世のアデラは、夫の仕事を知らされないまま犬の世話をし、出産を手伝う。日ごとに増す爆発音を聞きながら。芥川賞作家が描く、もうひとつの原爆の記憶。<解説:小林エリカ>
著者プロフィール
村田 喜代子 (ムラタ キヨコ) (著)
1945年、福岡県北九州市生まれ。87年、「鍋の中」で芥川賞を受賞。90年、『白い山』で女流文学賞、97年、『蟹女』で紫式部文学賞、98年、「望潮」で川端康成文学賞、99年、『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞、2010年、『故郷のわが家』で野間文芸賞、14年、『ゆうじょこう』で読売文学賞、19年、『飛族』で谷崎潤一郎賞、21年、『姉の島』で泉鏡花文学賞を受賞した。ほかに、『花野』『八幡炎炎記』『屋根屋』『村田喜代子の本よみ講座』『美土里倶楽部』などの著書がある。