「天から与えられた才能はどこへ消えた?」
舞台はヴィクトリア朝京都。
洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが……まさかの大スランプ!?
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この手記は脱出不可能の迷宮と化した舞台裏からの報告書である。
いつの間にか迷いこんだその舞台裏において、私たちはかつて経験したことのない「非探偵小説的な冒険」を強いられることになったわけだが、世の人々がその冒険について知ることはなかった。スランプに陥ってからというもの、シャーロック・ホームズは世間的には死んだも同然であり、それはこの私、ジョン・H・ワトソンにしても同様だったからである。
シャーロック・ホームズの沈黙は、ジョン・H・ワトソンの沈黙でもあった。
-----(本文より)
謎が謎を呼ぶ痛快無比な森見劇場、ついに開幕!
目次
プロローグ
第一章 ジェイムズ・モリアーティの彷徨
第二章 アイリーン・アドラーの挑戦
第三章 レイチェル・マスグレーヴの失踪
第四章 メアリ・モースタンの決意
第五章 シャーロック・ホームズの凱旋
エピローグ
著者プロフィール
森見登美彦 (モリミトミヒコ) (著)
一九七九年、奈良県生まれ。作家。京都大学在学中に執筆した『太陽の塔』で二〇〇三年、第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。〇六年『夜は短し歩けよ乙女』で第20回山本周五郎賞を受賞、第137回直木賞の候補となり、翌年の第4回本屋大賞の2位を獲得した。一〇年『ペンギン・ハイウェイ』で第31回日本SF大賞、一四年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、一七年『夜行』で第7回広島本大賞、一九年『熱帯』で第6回高校生直木賞を受賞したほか、映像化・舞台化された著書も多数。
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