デカルトの二元論を退け、自然と精神を統合する新たな一元論を構築したベイトソンは、晩年、天使おそれて立ち入らざるところ──すなわち「聖」や「美」の領域を、サイバネティクスの理論で再定義しようとした。娘とともに科学知の限界を見すえ、メタファーの論理によって、倫理と結びついた世界の認識のあり方を探究した遺作。
目次
謝辞
Ⅰ――序(MCB&GB)
1 コンテクストの設定(MCB)
2 課題の確定(GB)
Ⅱ――精神過程の世界(GB)
Ⅲ――メタローグ「なぜお話しするの?」(MCB)
Ⅳ――モデル(GB)
Ⅴ――超自然論でもなく機械論でもなく(GB)
Ⅵ――メタローグ「なぜ偽薬なの?」(MCB)
Ⅶ――汝の左手に知らしむべからず(GB)
Ⅷ――メタローグ「秘密」(MCB)
Ⅸ――信仰の擁護(GB)
Ⅹ――メタローグ「忍び寄ってるの?」(MCB)
ⅩⅠ――生まれと育ちのメッセージ(GB)
ⅩⅡ――メタローグ「依存症」(MCB&GB)
ⅩⅢ――侮られざる神(GB)
1 悲劇
2 テーマの矛盾と相克
ⅩⅣ――メタローグ「ここじゃいわない」(MCB)
ⅩⅤ――織地のなかの構造(GB)
1 地図と現地
2 不可欠な横糸
3 行間
4 織地の切れ目
ⅩⅥ――無垢と経験(GB&MCB)
ⅩⅦ――結局メタ・フォーって何?(MCB)
ⅩⅧ――メタローグ「執拗な影」(MCB)
用語解説
章別出典
訳者あとがき
索引
著者プロフィール
グレゴリー・ベイトソン (グレゴリーベイトソン) (著)
グレゴリー・ベイトソン
1904-80.アメリカ(イギリス生まれ)の人類学者・社会学者・言語学者・サイバネティシスト.著書に『精神の生態学へ』『精神と自然』(岩波文庫)など.
メアリー・キャサリン・ベイトソン (メアリーキャサリンベイトソン) (著)
メアリー・キャサリン・ベイトソン
1939-2021.アメリカの作家・人類学者.著書に『娘の眼から』(国文社)など.
星川 淳 (ホシカワ ジュン) (訳)
星川 淳(ほしかわ じゅん)
1952年生まれ.作家・翻訳家.市民活動助成基金アクト・ビヨンド・トラスト代表理事.著書に『タマサイ』(南方新社),『魂の民主主義』(築地書館),訳書にJ・ラヴロック『地球生命圏』(工作舎),P・アンダーウッド『一万年の旅路』(翔泳社),A・ヤブロコフ他『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(監訳,岩波書店)など.