英語圏最高の短編作家と称されるウィリアム・トレヴァーの傑作集。すれ違う言葉が織りなすおかしく切ない一日を描いた「ケーキを食べて酔っぱらった日」、幻想の自己像に囚われた男の滑稽さをグロテスクにあぶりだす「レイモンド・バンバーとミセス・フィッチ」など、新訳4編を含む全8編収載。20分の読書が、読者の世界観を静かに反転させる極上の短編の詰め合わせ。
解説 栩木伸明
目次
ケーキを食べて酔っぱらった日
レイモンド・バンバーとミセス・フィッチ
ミス・スミス
午後のダンスの集い
アトラクタ
秋の日射し
マルヴィヒルの形見
聖人たち
「本能的な小説家」登場 ── 少し長めの訳者あとがき
著者プロフィール
ウィリアム・トレヴァー (トレヴァー ウィリアム) (著)
ウィリアム・トレヴァー(William Trevor):1928年、アイルランドのコーク州生まれ。教師、彫刻家、コピーライターなどを経て、60年代より作家活動に入る。65年、第二作『同窓』がホーソンデン賞を受賞、数多くの賞を受賞している(ホイットブレッド賞は3回)。ツルゲーネフ、チェーホフ、ジョイス、オコナーに連なる現代最高の短編作家と称され、ノーベル文学賞候補にもたびたび名前が挙がった。短編集に『聖母の贈り物』『異国の出来事』、長編作に『恋と夏』(以上、国書刊行会)などがある。2016年逝去。
栩木 伸明 (トチギ ノブアキ) (翻訳)
栩木 伸明(とちぎ・のぶあき):1958年生まれ。現在、早稲田大学教授。専攻はアイルランド文学・文化。著書に『アイルランドモノ語り』(みすず書房、読売文学賞〔随筆・紀行賞〕受賞)、訳書にウィリアム・トレヴァー『聖母の贈り物』、ブルース・チャトウィン『黒ヶ丘の上で』(みすず書房)などがある。