『詩と散策』のハン・ジョンウォンが綴る八月
夏の陽射しを浴びた木の陰、夏の雨が澱んだ水たまり、沈黙に向かう鐘の音、など。過ぎていく夏を記憶し、鼻の先や耳元に残っている夏の形跡をたどる。
ナンダ出版社の詩のシリーズの一冊。ひとりの詩人がひと月を受け持ち、一日に一篇ずつ綴る。八月は『詩と散策』の著者であり詩人のハン・ジョンウォンが担当した。
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夏は悲しみのようにひそやかに消えるのだと、エミリー・ディキンソンは書いた。
たしかに他の季節が終わるときとは違う。なぜ夏はとりわけ消えるのか。蒸発し揮発するのか。気体なのか。つかむことのできない何かなのか。どうにもならない愛のようなものなのか。
夏のように、悲しみも消えるだろうか。
悲しみも止むだろうか。
――「8月22日 止む」より
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