「あんたら、取り返しのつかないことしたんだから」
同じ部活の三田は通学用自転車の脇に、決まって青い子供靴を置く。それは死んだ弟の靴らしい(「靴と自転車」)。廃墟と化したニュータウンを訪れた心霊スポット突撃隊の三人組。深夜の廃マンションに現れたのは、カメラには映らない、不気味な赤い霧だった(「赤い霧」)。親から受け継いだ町中華を家族で懸命に守ってきた健作。不可解なものが店の郵便受けを覗き込んでいた日を境に、家族がおかしくなっていく(「さぶら池」)。
デビュー10周年を迎えたホラーの旗手が描く、恐怖の深淵を覗く物語たち。
目次
はじめに
みてるよ
靴と自転車
すなばおじさんと、としょかんおじさん
行かなかった遊園地と非心霊写真
赤い霧
頂戴
さぶら池
墓
著者プロフィール
澤村伊智 (サワムライチ) (著)
1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。