これは、外交の空白を埋める当事者の記憶である。
北海道から最も近い外国、ロシア・サハリン。2022年、これまで20年にわたって交流を続けてきた稚内市役所から、「サハリン課」の看板が外された。コロナウィルス、ウクライナ侵攻、そして断絶。積み重ねてきた人と人とのつながりは、あっけなく引き裂かれる。それでも思い返して胸に浮かぶのは、何気ない日々の尊さだった――
サハリン課で対岸を見つめ続けてきた一人の駐在員が綴る、苦渋と祈りのドキュメント
目次
第一章 隣街サハリン──稚内から見た風景
第二章 国境を紡ぐ行政の現場
第三章 ユーラシアへのゲートウェイ
第四章 コロナ禍とウクライナ戦争
第五章 サハリンのいま
著者プロフィール
三谷 将 (ミタニマサシ) (文・絵)
1973年、北海道生まれ。北海道大学文学部哲学科卒業。稚内市役所入庁後、サハリン事務所所長、サハリン課課長などを歴任。退職後、2023年に個人事業「P.B. ル・デトロワ」を開業。日ロ関係やサハリンに関する執筆活動を行っている。